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夢二夜 

無から有を生み出す錬金術。例えば「2ちゃんねる」の広告収入やアフィリエイト。自分と戦うという点ではシナリオライターなんてのが筆頭に上げられる。とあるシナリオライターは賞に何度も応募していて、結局今ではゲーム会社のメインシナリオライターだそうだ。地元でそれなりの職にいつでも就けると言うならば、それなりに夢を持ってコンクールや求人を片っ端から受けてみるのはどうだろうか。人生、やるかやらないかならやって後悔したほうが良い。
「やれやれ…言うのは簡単だよなぁ…」
僕はブログにそう打ち込んでみたものの、後の人生を考えると暗雲しか見えなくなった。痛む腰を伸ばすためにちゃぶ台から身を後ろに伸ばして寝転がる。天井は嫌味のように眩しい。蛍光灯が反射した木目が僕を顔に変わり、まるで笑っているように見えた。
「………」
何か言うわけでもなく部屋でそのまま眼を閉じる。一年契約の仕事の満了期間は目の前に迫っている。時期がくればまた履歴書を持って飛び回る日々が続くんだ。眼を閉じているのに視界が回っている。呆れるほどに意識が遠のく…顔写真撮らなきゃなあ…また学歴書かなきゃ…職歴書いて…趣味かいて…ぼーるぺんを……あした…




目が覚めた。ハッとして辺りを見渡す。野営中に寝込みを襲われたらかなわない。森の中で俺はシッカリと脇に挿した商売道具に手を触れた…大丈夫、確かにある。ひんやりと冷たい金属がカチャリと音を立てて存在を誇示している。
「………」
刀に手を触れたまま左を一瞥、右を一瞥。鳴るのはただ風の音と焚き火がパチンと爆発したように鳴らす音だけ。俺は溜息をつくと、刀を手にしたままユラリと立ち上がった。焚き火の光がぼんやりと辺りを照らしている。ここが畳のある囲炉裏の焚き火ならどんなに良かったことか、俺は昨夜食べた焼き魚を思い出して左手で腹を一撫でした。
「パンッ!」
乾いた発砲音がした。それは焚き火のそれとも違う、鉛を高速で射出するあの音だ。途端に右腕に鈍痛。衝撃が走る。仄かに鉄のような匂いが辺りを包んだ。視界の右端を見れば、遥か遠くで刀を握った男が倒れている。俺は硝煙を立ち昇らせる銃口の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりとそれを元あった懐に戻す。
「馬鹿が…武器がひとつだと思ったのがお前の敗因だ…」
俺は右端で地を這っている男に聞こえないような小さな声で呟き。
「今度はもっと大勢で来るんだな」
今度は聞こえるようにそう言うと、風が焚き火を吹き消した。


テーマ: 自作小説

ジャンル: 小説・文学

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