08 // 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. // 10

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[edit]

trackback: -- | comment: --

楊貴妃 2 

序章「月音」


狐が空から消えた頃と時同じくして、とある山村に住む神主家系の巫女に子供が出来た。家族は巫女に宿った新しい生命の存在を心から喜び、指折り数えて子供の誕生を待った。時は過ぎ陣痛が巫女を襲うと、家族に不安と期待が渦巻く中で出産は始まった。しかし、巫女は生まれつき体が病弱であったため難産に苦しむこととなってしまった。出産のその最中に夫と固く手を繋いだ巫女は、涙ながらに「子供をお願いします」と呟く。途切れ途切れに「弱音など吐くな」と夫は呟く。巫女は痛みに耐えながらも微笑すると、そっと握っていた手から力を抜いた。その刹那、産声が家族を包み、巫女は自分の命と引き換えに子供を産むことになった。夫はただただ涙を流して巫女の死を嘆いた。涙で瞼を晴らした父親に名を「つきね」と命名された赤子は、産婆の乳を飲み美しい淑女へ育っていくこととなる。

つきねは幼い頃から音楽や歌舞に優れて利発であったこともあり、彼女が成人する頃には村一番の女性と皆々から慕われていた。彼女に心を魅かれる村人も少なくはなく、村の男達は彼女の歌や美貌、全てに魅了された。これは武士である纏次郎(てんじろう)も例外ではなく、つきねに恋焦がれる一人であった。

テーマ: 自作小説

ジャンル: 小説・文学

[edit]

« 奥様は魔法淑女  |  良い意味でクレイジー »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://noizirou.blog112.fc2.com/tb.php/158-f888adea
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。