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楊貴妃(5) 

「全く…手間取らせてくれるな…いや、流石は巫女の家系というべきか…まあ良い…これでどうとでもなる…ふふ」
喜びに私は独り言を喋らずにはいられなかった。とても気分が良い。この身体では始めての高揚かもしれない。四肢を震わせて感触を心から感じとる。やはりこの身体を選んで正解だった。もっともこれは賭けのようなものではあったが…巫女の血は良くも悪くも私に力を与えたというわけだ。本来ならばこの娘が生まれる際に意識を完全に奪い取り、自我を破壊し尽して私専用の身体として誕生することも出来たというのに…この小娘の母親のせいで一度は消失しかけてしまった。流石の私もまさか自分の命と引き換えに私を封印する馬鹿がいるとは思わなかった。
「夜は始まったばかりか…」
しかし…この娘はやはり私が目をつけただけはあった。成人の儀などというくだらない儀式のお蔭で私も復活を遂げる事が出来た。全ては人の欲望の賜物だ。笑いが止まらない。古い文化に縛られずに、大人しく成人の儀を取りやめればよかったものを…この小娘の成人の儀での恨みや恐怖の感情が私を呼び起こしたのだからな。いくら妖狐と言えど…その落とし種にいくらも力は無いと言うのに…私をここまで成長させるとは、やはり人間は愚かとしか言いようがない。
「すまないな、つきね。お前の身体は有効に使わせてもらうぞ。」
聞こえる筈の無い言葉を、私は自身に語りかける。せいぜい心地好く眠るが良いさ。お前が目覚めることはも最早、生涯有り得ないのだから。





20年前に村で成人の儀を取りやめにするという話が出たとき、表向きは賛同する人間が多数だった。巫女の一家が中心となり「少女や少年を慰み者にすることはあってはならない」と言い出したのが全ての始まりだった。その当時、巫女の一家は長を務め事実上は村の取締役と言っても過言ではなかったため、事実上、この儀式は無くなったものだと村人達は感じていた。しかしそれからというもの、巫女の家系に災難が続き、巫女の一家は現在のような状態になってしまった。20年前に「成人の儀」を取りやめてから……である。つまり、この厄災が自分にもふりかかるのではないかと恐れた村人によって今回の「成人の儀」が決行されたというわけなのだが…その行為が結局…村を崩壊させるほどの結果を招く事は…誰もが予期せぬことであっただろう。


テーマ: オリジナル小説

ジャンル: 小説・文学

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